松江市八雲町の佐貫内科医院に在籍する循環器専門医・佐貫仁宣先生のインタビュー

ドクターズインタビュー

ドクターズインタビュー

ドクターズインタビュー

島根県松江市八雲町で1984年に開業して以来、40年以上にわたり地域医療を支え続けてきた佐貫内科医院。2025年4月、循環器内科を専門とする佐貫仁宣先生が副院長に就任し、父である佐貫裕院長との医師2人体制がスタートしました。故郷に戻り、父と共に歩む仁宣副院長に、これまでの歩みと地域医療への思いを伺いました。

仁宣先生が医師を目指したきっかけを教えてください。

医師を目指したきっかけは、やはり開業医である父の存在が一番大きいですね。自宅と医院が繋がっていたものですから、父が白衣を着て患者様と接している姿が、幼い私にとっては日常の風景でした。地域の方々から「先生、先生」と慕われている姿を見て育ちましたので、物心がついた時には、自分も自然とこの道に進むのだろうな、と考えていました。

仁宣先生が医師を目指したきっかけを教えてください。

内科を専門として選んだのもお父様の影響が大きかったから?

実は、最初は自分の手で患者様を治療したいという思いが強く、外科医や救急医療に憧れがあったんです。ただ、実家が内科医院でしたから、内科で自分の志向にも近い分野はないかと考えた時に出会ったのが循環器内科でした。
循環器内科は、内科でありながら心臓カテーテルの検査や治療といった外科的な手技も多く、非常にやりがいを感じました。医師になって早い段階からカテーテル治療に携わり、気づけばもう20年以上、この分野を専門としています。

内科を専門として選んだのもお父様の影響が大きかったから?

大学卒業後は九州で内科医療に携わっていた仁宣先生。故郷である松江に戻って病院を継ごうと思った理由はなんだったのでしょうか?

一番の理由は、やはり父の年齢や家庭の事情を考え、いつかは自分が医院を継がなければ、という思いがあったからです。ただ、九州での生活が長かったものですから、九州の方言がすっかり染み付いてしまっていて(笑)。患者様との診察中にポロッと出てしまい、慌てて標準語に言い直す、なんてこともありましたね。

島根にお戻りになられたのは2020年。ちょうど新型コロナウイルスの流行が始まった時期でした。

本来であれば、すぐにでも専門である循環器の診療や訪問診療の体制づくりに取り組みたかったのですが、まずは目の前の感染症対策に奔走する日々でしたね。今ではようやく落ち着き、父を「大先生」、私を「若先生」と呼んでいただきながら、地元に根ざした診療に取り組めていると感じています。

循環器科の専門医でもある仁宣先生が、診療時に心がけていることをお聞かせください。

診療で心がけているのは、まず循環器専門医として「見逃してはいけない心臓や血管の病気」のサインを初期段階で捉えること。そして同時に、内科医として患者様の生活背景全体を見ることです。特に高血圧や糖尿病は、動脈硬化を通じて心筋梗塞や脳卒中に直結します。血圧手帳などを丁寧に確認し、その場で生活指導を行う。この地道な積み重ねを大切にしています。

循環器科の専門医でもある仁宣先生が、診療時に心がけていることをお聞かせください。

専門医と内科医、2つの視点を大切になさっている。まさに地域のかかりつけ医。

九州の病院で勤務医だった頃は、循環器の専門診療のほかにも糖尿病や消化器疾患、生活習慣病全般といった一般内科の患者様を診療していました。医師の数が限られた環境でしたから、何でも診る必要があったんですね。その経験のおかげで、専門性を持ちつつも内科医として全身を広く深く診るという力が鍛えられ、今のかかりつけ医としての診療に非常に役立っています。

1984年に開業し、地域の医療を担ってきた佐貫内科医院。仁宣先生が感じる強みを教えてください。

1つ目は、父がこの八雲町で40年以上かけて築いてきた「地域のかかりつけ医」としての深い信頼関係。その土台の上に、私の循環器科という専門性が加わったことで、より高度な医療を身近に提供できるようになったと感じています。

2つ目は充実した検査設備。クリニックでありながら、高性能な心臓エコーや頸動脈エコー、24時間心電図、呼吸機能検査、血管年齢を調べる検査(ABI/PWV)など、大規模病院に引けを取らないレベルの検査機器を揃えています。「動脈硬化が心配」と来院された方に、予約なしでその日にエコー検査まで行えるフットワークの軽さは、当院ならではだと思います。

3つ目の強みは、何と言ってもスタッフです。看護師、検査技師、事務スタッフと在籍する皆がフットワークが軽く、お互いに助け合いながら和気あいあいと働いてくれています。看護師長は糖尿病指導の経験が豊富ですし、今年(2025年)は医療ソーシャルワーカーもチームに加わりました。これにより、医療面だけでなく、介護や福祉の面でも、より切れ目のないサポートができる体制が整ったと感じています。

佐貫内科医院では訪問診療にも力を入れていらっしゃいます。これには何か理由があるのでしょうか?

九州の勤務医時代、救急搬送や生活に困難を抱えた患者様も多く、医療だけでは解決できない壁に何度も直面しました。その時、医療をどう地域に届けるかという視点、いわゆるソーシャルな視点を持つことの重要性を痛感したんです。その経験が、私が今、訪問診療に強くこだわる原点。通院が困難になった患者様にも、住み慣れたご自宅で安心して療養を続けてほしいという思いから、訪問診療に力を入れています。

佐貫内科医院では訪問診療にも力を入れていらっしゃいます。これには何か理由があるのでしょうか?

佐貫内科医院の訪問診療の特徴を教えてください。

当院は「機能強化型在宅療養支援診療所」として、地域の基幹病院と連携し、24時間365日、緊急時の往診や入院の手配、さらにはご自宅での看取りにも対応できる体制を整えています。
最大の特徴は、循環器専門医である私と父との「医師2人体制」であること。これにより、急な往診依頼にも柔軟に対応できますし、高血圧・糖尿病・心不全など慢性疾患の専門的な管理や血液検査・心電図・エコー検査といった外来と変わらないレベルの医療を提供することを目指しています。
また、当法人にはデイケア施設もあります。医療と介護、福祉がシームレスに連携し、「通えるうちは外来、難しくなったら訪問へ」といった柔軟な移行をワンストップでサポートできるのが強みです。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

父が築いてきた地域のかかりつけ医としての役割を大切にしながら、「これって内科で診てもらえるのかな?」といった些細なことでも、気軽に相談していただけるホームドクターであり続けたいと思っています。
院内スタッフはもちろん、地域のケアマネージャーさんや基幹病院、介護施設など多職種で連携を深めながら、八雲エリアの隅々まで医療を届ける。今度は私が、生まれ育った故郷で“人と人とのつながり”を築きながら、外来でも訪問診療でも多くの患者様・ご家族様をサポートしていけたら嬉しいですね。

最後に、今後の展望をお聞かせください。