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胸が痛い/重い

胸が痛い・重いという症状は、重要な疾患の前兆である可能性があるため、慎重に検査を進める必要があります。胸の症状の原因を特定するためには、まずはどのような痛みかを把握することが重要になります。

  • どんな痛みか? 締め付ける、重いものが乗っているよう、刺すよう、焼けるよう
  • どこが痛むか? 胸の場所・痛みの範囲、胸以外に痛む場所はないか
  • どのくらい痛みが続くか? 瞬間的、数分、数時間
  • どんな時に痛むか? 運動時、安静時、日中、寝ている時、朝方、食事の前後
  • 痛み以外の症状は? 息切れ、動悸、吐き気、生汗

症状を把握することで、原因となる病気を鑑別していきます。胸の症状の原因となる病気の中で、緊急性を要し、命に関わる病気として、以下の病気かあります。

  • 急性心筋梗塞
    心臓を栄養する冠動脈という血管が急に詰まることで発症します。突然、前胸〜背中にかけての締め付けられる痛みを生じ、時に顎、左腕などにも痛みが波及し、冷や汗や呼吸困難感を伴います。
  • 急性大動脈解離
    全身に血液を供給する太い大動脈の壁の内側に亀裂が入り、血管の壁に裂け目が入っていく病気です。時に血管が完全に破れて、血管外に血液が流出する危険な状態になることもあります。突然胸や背中の痛みを生じます。
  • 肺塞栓症
    肺に血液を送る、肺動脈が詰まってしまう病気です。主に足にある静脈(心臓へ血液を戻す血管)内に血の塊ができ、それが飛んで肺の血管に詰まることで発症します。突然の胸の痛み、呼吸困難、咳、痰、などを起こします。普通の生活をしている方で起こることは稀で、何時間も同じ姿勢で動かない、過度の脱水、癌など病気を持っている、などあれば発症する可能性があります。
  • 緊張性気胸
    肺に穴があき、肺から漏れ出た空気により肺が圧迫され広がらなくなる病気です。突然の胸痛、呼吸困難、咳、などを生じます。

このような危険な疾患は、概ね突然強い症状を持って発症しますので、もし上記に当てはまる症状があれば、様子を見ずに、すぐに医療機関を受診してください。

そのほか緊急性を要しないですが、胸の症状を起こしうる病気として、

  • 心膜炎 心臓を包む膜に炎症を起こしている状態。
  • 心筋炎 心臓を構成する筋肉(心筋)に炎症を起こしている状態、時に重症化し、命に関わる場合もある。
  • 逆流性食道炎 胃酸が食道に逆流することで起こる、胸焼けや酸っぱいものが上がってくるような痛み。
  • 肋間神経痛 肋骨の間にある神経が刺激され起こるチクチクする痛み。
  • 胸膜炎 肺のその側にある膜に炎症が起こり生じる痛み、発熱を伴い、呼吸で症状が変動する。
  • 帯状疱疹 神経の中にいる帯状疱疹ウイルスが活性化することで、発症する。水泡を主体とした発疹とともに、チクチクする痛みを生じる。発症早期には痛みの身の場合もある。
  • パニック障害 突然の激しい不安や恐怖により起こる心の病気。胸痛、息切れ、呼吸困難などを伴うことも多い。

なども考えられます。診察・検査を行い、どの病気が疑わしいか、診断をしていきます。まずは生命に関わる、心臓を中心とした検査を進めていくことが大切です。当院では、心臓を専門とする循環器内科医による診察を行なっておりますので、いつでもお気軽にご相談ください。

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