動悸/脈の乱れ
動悸は、一般的に胸がドキドキしたり、バクバクするのを自覚することです。脈の乱れは、脈が不規則になる状態です。運動や緊張時には、正常な反応として、ドキドキやバクバクなどを感じます。しかし、安静時や軽い労作でも起こる場合は、不整脈など何かしらの病気が隠れている可能性があります。
動悸や脈の乱れを感じたら、まずは自分の脈を取ってみることが重要です。
自分で脈をとるときは、片方の手の人差し指と中指で、もう一方の手首の親指側を触れます。脈が触れる場所を探して、15秒程度脈をとります。
脈をとるときに、
- 脈が規則正しいか?
不規則な場合、完全に不規則なのか、数回に一回脈が飛ぶのかなど、不規則の状態を見ることも大切です。 - 脈の数は?
15秒間脈の数を数えて、それを4倍して、1分間の脈の数を出します。安静時脈拍数は、60〜100回です。 - 動悸があり、脈が規則正しく、脈拍数も正常の場合、可能であれば血圧を測ってみてください。
動悸や脈の乱れがある場合、以下の病気の可能性があります。
- 不整脈
脈が速くなったり、飛んだり、不規則になったりする病気です。 - 狭心症
心臓を栄養する冠動脈という血管の動脈硬化が進行することで、血管の流れが悪くなり心臓自体の血液不足を起こす病気です。典型的には、胸の締め付けるような痛みを自覚しますが、動悸として自覚することもあります。 - 心不全
何かしらの心臓の病気により、心臓の負担が生じている状態です。動いた際に、動悸や息切れを自覚することがあります。 - 高血圧
血圧が上がると、自分の心臓の動きを強く感じ、動悸として自覚することがあります。 - 貧血
血液中の酸素を運搬する赤血球が少なくなる状態です。動いた際に、全身が酸素不足となり、動悸を感じやすくなります。 - 甲状腺機能亢進症
首のところに、体の調子を整えてくれる甲状腺という臓器があります。この甲状腺から甲状腺ホルモンという物質が出ていますが、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される状態を、甲状腺機能亢進症と言います。甲状腺機能亢進症になると、動いた時の脈が速くなりやすくなり、また様々な不整脈が出やすくなります。
動悸や脈の乱れが続く場合は、心電図、Holter心電図(自宅で装着し、24時間心電図を計測する機械)、心臓エコー検査、血液検査など実施し、原因の特定をすることが重要です。おかしいな、と感じたら、いつでもご相談ください。